Oasis / Heathen Chemistry (2002)
5分3秒
リスニング環境
- 音源:Heathen Chemistry (2002) CD音源
- ヘッドホン:FOSTEX T60RP 50TH ANNIVERSARY
- アンプ:FOSTEX HP-A4BL バランス接続(XLR)
- プレイヤー:foobar2000
はじめに
「Stop Crying Your Heart Out」は2002年、Oasisのアルバム『Heathen Chemistry』に収録された一曲です。ノエル・ギャラガーが書き、リアム・ギャラガーがボーカルを担当したバラードで、何度聴いても心に刺さる曲です。
Oasisの曲といえば「Wonderwall」や「Don’t Look Back in Anger」を真っ先に思い浮かべる方が多いと思います。もちろんすべて素晴らしい曲ですが、個人的にずっとプレイリストに入れ続けているのはこの「Stop Crying Your Heart Out」です。
知名度という意味では他の代表曲に比べると一歩引いた存在かもしれません。ただ、この曲には派手さの代わりに、じんわりと胸に広がるような温かさがあります。それが長年、飽きることもなく聴き続けられている理由です。
はじめて聴いたのは発売当時ですが、それ以降気づいたら何度も聴きたくなる、そういう曲です。「気に入った」というより「初めから好きになっていた」という感覚がしっくりきます。
曲の構造
曲の構造としては、非常にシンプルなバラードです。派手な展開や複雑なアレンジはなく、静かなギターのイントロから始まり、サビに向かってゆっくりと盛り上がっていく作りになっています。それだけに、一音一音の存在感がはっきり伝わってきます。
曲を書いたのはノエル・ギャラガーですが、ボーカルはリアム・ギャラガーが担当しています。ノエルの書いた曲をリアムが歌う、いわばOasisの王道パターンです。
「Hold on, don’t be scared」——この一言だけで、なんとなく肩の力が抜けて安心できる気がします。
リアムのボーカルについて
リアムというとトゲのある歌い方や圧倒的な声量が印象的ですが、この曲ではそういった荒々しさが抑えられていて、静かに語りかけるようなボーカルになっています。それがこの曲の雰囲気にとてもよく合っていて、聴くたびにじんわりと染みてきます。
リアムがこういう表情を見せてくれる曲はそう多くないので、その意味でもこの曲は特別な一曲だと思っています。
歌詞の世界観
歌詞はシンプルで、難しい言葉は使っていません。それでもすっと心に入ってくるのは、「大丈夫、泣かなくていい」という気持ちがストレートに伝わってくるからだと思います。励ましの言葉が並んでいるのに、説教くさくない。そのバランスが絶妙です。
落ち込んでいるときに聴くと、特に響きます。ただ、元気なときに聴いても曲として純粋に気持ちいい。そういう聴き方を選ばない曲だと思っています。
曲の聴きどころ
個人的な聴きどころはサビの入り方です。静かなAメロからじわじわと温度が上がっていって、サビで一気に開けるあの瞬間。毎回同じ展開とわかっていても、やっぱりそこで気持ちが動きます。
曲の後半にかけてコーラスが重なっていく部分も好きです。音数が増えているはずなのに、うるさくならずに広がっていく感じがあって、聴き終わったあとにすっきりした気持ちになります。
映画・チャリティとのつながり
この曲を知るきっかけとして、2004年公開の映画『バタフライ・エフェクト』を挙げる方も多いと思います。アシュトン・カッチャー主演のこの作品、エンディングでこの曲が流れる場面は、映画の余韻とぴったり重なって忘れられない印象を残します。曲そのものの力と映像がうまくかみ合った、あの使われ方は本当に見事だと思っています。
また、2020年にはBBC Children in Needのチャリティ企画として、BBC Radio 2 AllstarsがこのOasisの曲をカバーしています。Cher、Kylie Minogue、Robbie Williams、Lenny Kravitzをはじめとする豪華なアーティスト24名が参加したもので、コロナ禍で困難な状況に置かれた子どもたちへの支援を呼びかけることを目的としていました。世界中が先の見えない不安の中にいたあの時期に、「泣かなくていい、大丈夫」というメッセージを持つこの曲が選ばれたのは、とても自然なことだったと思います。
リリースから20年以上経った今も、こうして様々な場面で使われ続けているのは、この曲が持つ言葉の強さと普遍性があるからこそだと感じています。
おわりに
Oasisを聴き始めたばかりの方には、まず有名曲から入るのが自然だと思います。ただ、もし一通り聴いたことがあるなら、ぜひこの曲も聴いてみてください。1度聴くとずっと記憶に残る名曲だと思っています。
※本記事のアイキャッチ画像は、YouTube公式動画より引用しています。


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