The Beatles 『A Day in the Life』 — ビートルズの最高傑作と言われる理由を、実際に何度も聴いた視点から書く

The Beatles - A Day In The Life Music

The Beatles / Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (1967)
5分7秒

リスニング環境

  • 音源:50周年記念アニバーサリー・エディション収録バージョン(2017 Remix)
    ハイレゾ音源 Lossless (24bit / 96kHz)
  • ヘッドホン:FOSTEX T60RP 50TH ANNIVERSARY
  • アンプ:FOSTEX HP-A4BL バランス接続(XLR)
  • プレイヤー:foobar2000

はじめに

「A Day in the Life」は1967年、ビートルズのアルバム『Sgt. Pepper’s』の最終曲です。

ジョン・レノンとポール・マッカートニーによる二つのパートと、オーケストラによる即興の演奏が一つになった、ポップ・ミュージックの歴史でもほとんど例のない一曲で、繰り返し聴くたびに新しい発見があります。

ビートルズの数ある名曲の中で1番好きな曲は?との問いに答えることは非常に難しく、その時々の気分や、自分が置かれている状況など、さまざまな要素で答えは変わってきます。それでも1番に挙げることが多いのが本曲です。

ビートルズの曲でとなると、ファンとしてはやはりジョンやポールどちらか一方の曲よりも共作を選びたくなります。この曲はまさにその典型で、二人の個性がぶつかり合いながらも一つの作品としてまとまっている、中々無いケースだと思っています。

この曲をはじめて通しで聴いたとき、インパクトが大きく理解が追いつきませんでした。「いい曲だったな」じゃなくて、「……なんだったんだ今のは」という感覚で、それが「A Day in the Life」との最初の出会いでした。

曲の構造

曲の構造としては、ジョン・レノンが書いたパートとポール・マッカートニーが書いたパートが半ば強引にくっつけられています。ジョンのパートは新聞の見出しをそのまま読み上げているような淡々とした雰囲気で、ポールのパートは打って変わって朝の慌ただしさを描いたもの。普通に考えたら、この二つが一曲になることは想像が難しく、ビートルズマジックにより一曲として成立しています。

「I read the news today, oh boy」この出だしを聴くたびに、この曲に意識を吸い込まれる感覚になります。

オーケストラのクレッシェンド

私がこの曲で特に好きなパートで二つのパートのあいだに挟まってくるのが、あの迫力あるオーケストラのクレッシェンドです。クレッシェンドとは音楽用語で「だんだん大きく」を意味し、この曲では静寂に近い状態から轟音へと一気に膨れ上がる場面を指しています。奏者が最低音から最高音まで自分のペースで音を上げていくよう指示されて演奏したと言われており、完全に収拾のつかない大きな音になっています。私の感覚では、長い螺旋階段を駆け上り、最後に晴れ渡った建物の屋上にたどり着くような感覚でした。

歌詞の世界観

歌詞はあいまいで、解釈しようとするのはナンセンスです。事故のニュース、映画の感想、道路にあいた穴の数。断片的な話題が並んでいるだけですが、意味不明と感じさせずに終わってしまいます。あえてそれが居心地良く、何度も聴きたくなる理由になっている気がします。

最後のピアノ和音

曲の終わりには、三台のピアノで同じ和音を同時に叩いて、そのままマイクを全開にして録音したという話があります。あの余韻が少しずつフェードアウトしていくのを聴くたびに、なんとなく時間の感覚がおかしくなります。曲として3分でも10分でも聴き続けられそうな気がしてしまいます。

余談ですが、曲中の「アーーー」という声の主がジョンかポールかは長年議論されています。私は今のところジョンだと思っています。理由は単純で、声の質がジョンのものだと感じるからです。

おわりに

この曲を「名曲」と呼ぶのは簡単ですが、個人的にはそれだけで片づけたくありません。うまく説明できないものが詰まっていて、何年経っても飽きずに聴き続けています。そういう曲だと思っています。

※本記事のアイキャッチ画像は、YouTube公式動画より引用しています。

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