John Lennon 『Out the Blue』 — ある日突然私の前に現れて、1番好きになった至高のバラード

John Lennon - Out the Blue Music

John Lennon / Mind Games (1973)
3分23秒

リスニング環境

  • 音源:Mind Games Ultimate Collection (ULTIMATE MIXES 2024) ハイレゾ音源
  • ヘッドホン:FOSTEX T60RPmk2ai
  • アンプ:FOSTEX HP-A4BL バランス接続(XLR)
  • プレイヤー:foobar2000

はじめに

「Out the Blue」は1973年、ジョン・レノンのアルバム『Mind Games』に収録された一曲です。ヨーコ・オノへの愛を綴ったラブソングで、二人が別居していた時期に書かれたという背景を知ると、さらに胸に刺さります。シンプルなのに、何度聴いても新しい発見がある曲です。

ジョン・レノンのソロ作品の中で「Imagine」や「Starting Over」は広く知られていますが、個人的にプレイリストから外せないのがこの「Out the Blue」です。いや、おそらくジョンのソロ作品で1番好きな楽曲になると思います。アルバム『Mind Games』はジョンのソロ作品の中では地味な扱いを受けることも多いのですが、この曲だけは別格だと思っています。

はじめて聴いたのはビートルズにどっぷりはまっていた頃で、ジョンのソロを掘り始めたときに出会いました。最初はアルバムの中の一曲として聴き流していたのですが、ある日ふと「この曲、すごくいいな」と気づいて、そこから急にリピートが始まった記憶があります。

曲の構造

曲の構造はとてもシンプルです。アコースティックギターを軸に、ペダルスチールギターが静かに絡み、キーボードが柔らかく支えています。派手なアレンジは一切なく、ジョンの声と言葉をそのまま届けるための最小限の音だけで成り立っています。

徐々に楽器が加わり、サビ、そして後半に向けてじわじわとエモーショナルに盛り上がっていくという、非常にドラマチックな構成です。複雑なコード進行で誤魔化すことなく、メロディの美しさだけで引っ張っていく潔さがあり、それだけに一音一音の響きがダイレクトに伝わってきます。

「Out the Blue, you came to me」——この出だしだけで、もう曲の世界に引き込まれてしまいます。

ボーカルについて

ジョンの声は、時にトゲのある破壊力や圧倒的な存在感を見せますが、この曲に関してはそれらが抑えられており、どちらかというととても透き通った透明感のある語りかけるような歌い方です。この曲に関しては、それがそのまま強みになっています。その「語りかけるようなトーン」の感じが、かえって言葉の気持ちを素直に伝えてくれる気がします。

ソロアーティストとしてのジョン・レノンの「声」の魅力を堪能するという意味でも、この曲は彼のキャリアの中で外せない最高の作品の1つだと思っています。

歌詞の世界観

タイトルの「Out the Blue」は「突然、思いがけず」という意味の英語表現で、「あなたが突然現れて、人生が変わった」という気持ちを表しています。「人生の苦しみの中に突如現れたあなたが、自分の生きるエネルギーになった」というのがこの曲の核心です。

おそらく自身を含め多くの日本人が「Out the Blue」ってどういう意味?と必ず思うと思います。曲としてのメロディーは文句なく素晴らしいのですが、肝心のこのフレーズになじみがなくネットで調べました。意味が分かるとあえてこのフレーズを使ったジョン・レノンのセンスに改めて驚きました。

Out the Blueって、ものすごくセンスがいいですよね!

難しい言葉は一切使っていませんが、聴いていると当時のジョンの心境や情景が浮かんでくる。ジョンの歌詞の書き方の上手さが、この曲にはとてもよく出ていると思っています。

曲の聴きどころ

聴きどころはアコースティックギターの美しい響きと音色です。曲全体に漂う少し切ない、でも温かい雰囲気はこの楽器が作り出しています。

また曲の後半、コーラスが重なりながら静かにフェードアウトしていく部分も好きです。音が積み重なっていくにつれて、空間がスーッと広がっていくような感覚があり、毎回展開がわかっていても鳥肌が立ちます。終わったあと、しばらくその余韻の中にいたくなります。3分23秒という短さなのに、聴き終わったあとに、一本の良質な短編映画を観終えたような、心地よい余韻とすっきりした気持ちが残ります。

ドラマでの挿入曲として

以前から、ジョン・レノンの曲としてあまり知られていないが、自身には隠れた名曲との思いがありましたが、海外ドラマ『BONES』の最終話(Season 12, Episode 12)でこの曲が使われており、自身が好きなドラマの最終話で自身が好きな名曲が使われていてリンクしたことにとてもうれしく思った記憶があります。

このドラマの制作に関わった方もこの曲は名曲だと思い、採用したのだと思いますし、感性が似てるのかな?と思いましたし、似た感性の方々が製作されたドラマだから自身も好きなのかなと考えたりもしました。

ぜひ海外ドラマのボーンズも興味がおありでしたら見てみてください。

おわりに

ビートルズが好きな方はもちろん、バラードが好きな方にも広くおすすめできる一曲です。ジョン・レノンの有名曲しか知らないという方や、ソロの作品をまだ深く聴いたことがないという方には、まず最初に聴いてほしい大名曲です。アコースティックな響きとドラマチックな展開が融合したこの音を一度体験すると、きっと何度も繰り返し聴きたくなるはずです。

自身にとっても本当に突然出逢った、私の前に現れてくれた名曲でした。

※本記事のアイキャッチ画像は、YouTube公式動画より引用しています。

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