Arctic Monkeys 『Snap Out Of It』 — 艶やかな大人のトーンに隠されたシニカルな視点、意味を知ってさらに愛着が湧いた特別な1曲

Arctic Monkeys - Snap Out Of It Music

Arctic Monkeys / AM (2013)
3分13秒

リスニング環境

  • 音源:AM ハイレゾ音源
  • ヘッドホン:FOSTEX T60RPmk2ai
  • アンプ:FOSTEX HP-A4BL バランス接続(XLR)
  • プレイヤー:foobar2000

はじめに

「Snap Out Of It」は2013年、Arctic Monkeysが世界的なモンスターバンドとしての地位を決定づけた5枚目のアルバム『AM』に収録されている一曲です。

初めてこの曲を聴いた時の印象は、軽快なメロディーと曲タイトルでもあり、曲中に何度も繰り返される『Snap Out Of It』というフレーズが頭の中で繰り返され、それが気になって聞きたくなる曲でした。

曲の構造

曲の構造はシンプルですが、随所に工夫が凝らされていて、聴き始めた瞬間からリズムに引き込まれる作りになっています。重すぎず軽すぎず、ポップとロックのちょうどいいところに着地しています。

ボーカルについて

アレックス・ターナーの歌い方は、曲によって全く表情が変わります。「Do I Wanna Know?」のような低くクールなトーンもあれば、この曲のように少し軽くて弾んだ歌い方もあって、その振り幅の広さがArctic Monkeysの魅力の一つだと思っています。

初期の衝動的なガレージロックの頃とは異なり、非常に艶っぽく、余裕を感じさせる大人のトーンです。

演奏について

Arctic Monkeysはアレックス・ターナー(ボーカル・ギター)、ジェイミー・クック(ギター)、ニック・オマリー(ベース)、マット・ヘルダーズ(ドラム)の四人組です。この曲のクレジットには四人全員が作曲者として名前を連ねており、バンド全体で作り上げた曲であることがわかります。

歌詞の世界観

「Snap Out of It」は直訳すると「いい加減目を覚ませ」という意味の英語表現です。曲の内容は、誰かに夢中になりすぎている相手に対して「目を覚ませ」「いい加減に正気に戻れ」と訴えかけるもので、焦りと苛立ちとユーモアが混ざり合っています。

「君がその催眠術にかかっているのを見るのは、もううんざりなんだ。いい加減に目を覚ませよ」
※私自身による和訳

美しいメロディに乗せて、これほど容赦のない現実を突きつける。アレックス・ターナーの「ひねくれた、しかし圧倒的にセンスの良い言葉のナイフ」が炸裂しています。

曲の聴きどころ

この曲のタイトルでもあり、曲中で何度も繰り返される言葉『Snap Out of It』が聴きどころでもあり、テーマとなっていると思います。

当時私はオンライン英会話スクールを利用しており、講師の外国の方にこの曲を話題にした記憶があります。講師の方はこの曲を知っており、「Snap Out of It」というフレーズは日常的によく使う言葉だということ、そして「いい加減に正気に戻れ」というリアルなニュアンスを教えていただきました。

日本人が洋楽を聞いた時あるあるですが、普通に日本の学校で英語の授業を受けただけでは、この言葉はまず習いません。実際、私もこの曲と出会うまで聞いたことが無かったです。

軽快で楽しげなメロディーに乗せて、ネイティブが日常で使うような「いい加減目を覚ませ」という辛辣な説教が繰り返されている。その意味のギャップを知った時、この曲への思い入れがさらに深くなり、私の中で曲の印象が180度ひっくり返りました。そういった経験もあり、この曲はいろいろな意味で私にとって特別なお気に入りの曲となっています。

おわりに

Arctic Monkeysをまだ聴いたことがない方には、まず「Do I Wanna Know?」あたりから入るのが自然だと思います。ただ、『AM』を一枚通して聴いてみると、終盤にこの曲が出てきたときの気持ちよさは格別です。ぜひアルバムの流れの中で聴いてみてください。

洋楽を聞いていると、知らない単語や言い回しが出てくることが多々あり、その都度その曲をより理解したいとの思いで自主的に英語の勉強もするようになり、楽しい体験だと毎回感じております。

今回の曲では『Snap Out Of It』と『Hypnotised』の言葉の意味を知るきっかけになりました。

この曲についてもそういった体験をさせてくれる1曲でした。私と同じような体験をしている方が他にもいらっしゃるでしょうか。

※本記事のアイキャッチ画像は、YouTube公式動画より引用しています。

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